Diagnosis
診療内容

どんなことでもお気軽にご相談ください。
緊急を要する場合や特殊な検査が必要と判断した
場合には、適宜連携医療機関に紹介しますので、
ご安心ください。

呼吸器疾患

呼吸器外来を引き継いだ2年間で最も頻度が高かったのは「咳(咳嗽)」の訴えです。

急性咳嗽の原因は風邪や気管支炎、肺炎などの感染症が最も多いですが、3週間以上持続する遷延性咳嗽、8週間以上続く慢性咳嗽では他の原因が多くなります。もちろん感染症を否定することは重要ですので、必要に応じて胸部レントゲン検査や血液検査で炎症反応のチェックを行います(5分程度で検査結果が判明します)。感染症と考えられる場合はそれに応じた処方を、感染が否定されれば他の原因を考えます。

咳喘息
本邦での遷延性/慢性咳嗽の原因として最多です。喘鳴を伴わない咳が唯一の症状で、その本態は気道過敏性亢進(普通の人なら反応しない弱い刺激に対して気管支が過剰に反応すること)であるとされ、気管支を拡げるお薬が有効です。約30-40%が気管支喘息に移行するとされているため注意が必要です。
アトピー咳嗽
本態は咳受容体の感受性亢進であるとされ、痰を伴わない咳の他、のどの辺りの掻痒感(イガイガ感)がみられることもあります。就寝時>深夜~早朝>起床時に多く、エアコンの風、受動喫煙、会話、運動などが誘因とされています。咳喘息と異なるところは気管支を拡げるお薬は無効で一部の抗アレルギー薬が有効です。
咳喘息もアトピー咳嗽も症状がひどい場合には吸入薬を使用します。
胃食道逆流症
逆流した胃内容物に刺激されて咳が出ることがありますが、診断はやや困難で、胃酸の逆流を予防する生活習慣や胃酸を抑えるお薬、消化管の運動を助けるお薬を試してみます(効果があればこれが原因と考えられます)。
感染後咳嗽
呼吸器感染症の後に続く、胸部レントゲン検査で異常を示さない、通常自然に軽快する咳嗽です(風邪の後に長く続く咳)。無治療でも少しずつ軽快しますが、~4か月くらいに及ぶことも稀ではありません。必要に応じて対症療法を行います。
後鼻漏
アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などの原因で鼻汁がのどの奥に垂れ込み、これが刺激になって咳の原因になる場合があります。内科でもある程度の治療は可能ですが、改善に乏しい場合には耳鼻咽喉科にご紹介することもあります。
気管支喘息
アレルギー疾患の項を参照ください。
COPD
(慢性閉塞性肺疾患)

タバコの煙を主とする有害物質の吸入により生じた肺の炎症性疾患で、気管支に炎症が起こって咳や痰が出るようになったり、気管支が細くなって空気の流れが悪くなります。また、肺の奥にある「肺胞(ガス=酸素と二酸化炭素 交換する役目を担っています)」が壊れていくためガス交換が出来なくなり、進行すると歩行時や階段昇降時の息切れなどの呼吸困難がみられるようになります。

安定期の管理

COPD 診断と治療のためのガイドライン
[第5版]2018より引用、一部改変

元の状態に戻す(治癒)ことは難しいですが、禁煙と適切な治療により進行のスピードを遅らせることは可能です。

上記のように一番重要なのは禁煙です。病期に応じて吸入薬や飲み薬を併用します。また、気道感染を契機に増悪することが多く、その度に呼吸機能も低下して在宅酸素療法(HOT)を余儀なくされることもあるため、十分な感染予防対策が望まれます。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン接種が推奨されています。